うつくしきもの

観劇ブログ

新生星組 宝塚歌劇団「スカーレットピンパーネル」を見てきたよ(ネタバレ)

スカーレットピンパーネル!!!名前だけは私でも聞いたことがある超有名ミュージカル!紅ゆずるさん・綺咲 愛里さんのトップお披露目公演でもあり、とっても楽しみにしておりました。例によって前情報を「フランス革命の話」程度しか仕入れずに行ったため、「最後死んじゃうんだっけ?」と同行した母に尋ねて「はあ????」と半ギレされました。死なないどころか超HAPPYな話でした。

自分としては極推しの宙組が喜劇「王妃の館」を演じたばかりだったので、なんとなくこう、金色の砂漠(オリジナル宝塚らしい悲劇)→グランドホテル(舶来だが宝塚らしからぬ悲劇)→王妃の館(オリジナル宝塚らしからぬ喜劇)→スカーレットピンパーネル、で正統派悲劇に戻るかな?という勝手な予想と覚悟をしていたのですが、まあ無意味な覚悟だったというか、有名な作品なんだから最低限勉強していけよという話です。

べつにいらないんですけど、一応粗筋を。

舞台はフランス革命直後のパリ。ロベスピエールの恐怖政治が続く中、フランス貴族の亡命を手助けする謎の義士「スカーレットピンパーネル」。ギロチンによる粛清を繰り返し、独裁を敷く革命政府が血眼になって探すスカーレットピンパーネルの正体は、イギリス貴族、パーシー・ブレイクニー。社交界の花形でお調子者の彼は、フランス一の歌手・マルグリットと恋愛結婚!ところが、二人の結婚式の夜にパーシーの協力者の伯爵が処刑されたという訃報が舞い込む。伯爵の居場所を革命政府に密告したマルグリットの手紙を見たパーシーは、新妻を置き去りにして古い友人たちを集め、自分の目的とスカーレット・ピンパーネルの正体を告げ、協力を求めた。スカーレットピンパーネルの目的は、ルイ・シャルルの救出!友とマルグリットの弟を協力者に得たパーシーはドーヴァー海峡を渡り、フランスへ向かう。

一方、置き去りにされたマルグリットは、パーシーの愛を疑いはじめていた。彼女はかつて革命派に属しており、そのころの恋人であったショーブランに自分の所属する劇団の存続と引き換えに伯爵の居場所を教えるよう脅されていたのだった。罪の意識がほぼないまま意味を分からず放置されるマルグリットと、マルグリットを疑いながらも彼女を心配し、守りたいがために遠ざけるパーシー。大体こんな背景に、マルグリットの昔の恋人でスカーレットピンパーネルの正体を追う革命政府のショーブランとの三角関係を交えつつ、ルイ・シャルルの救出を描く。紆余曲折ありますが、勿論最後はスカーレットピンパーネルの大活躍によってシャルル王子はイギリスへ亡命することになり、ショーブランは敗北してスカーレットピンパーネルの替え玉としてロベスピエールに送り返され、誤解の解けたパーシーとマルグリットは帰途船上で再び結婚式をあげ、スペシャルハッピーエンド!!!!!あなたこそ我が家!!!!!!

いやーーーーよかったですね。正統派ヒーローもの。

紅ゆずるさんのパーシーはとっても優しそうで、華やかで温かいお人柄でした。紅さんはこういう明るい役柄が合いますね。流石アドリブの女王という感じで、ハッピーエンドの喜劇ならではの面白い言い回しが盛りだくさん!お歌もよく通るあたたかいお声で、ほごらかに歌い上げていらっしゃいました。「ひとかけらの勇気」!紅さんにぴったりな歌で感動でしたね。パーシーの、本当は全部計算しているしすごく気づかいをしているんだけどそれを相手に気付かせず、軽率に振る舞って空気を和ませたり場を収めたりしようとするところは、なんだかとっても紅さんっぽい役だなあと思います。あと衣装!いかにもバカ貴族という感じの、フリルをふんだんにあしらったピンクの衣装がすごくお似合いでした。勿論ド派手な舞踏会用のシマウマスーツも素敵でしたよ。マルグリットはお話の都合上、バイタリティに溢れつつもちょっと足りないおばかちゃんなんですけど、なんか紅さんのパーシーはマルグリット好きになっちゃう気持ちわかる・・・っていう、包容力と軟派さを兼ね備えたところが私は好きでした。ルイ・シャルルに歌を教えるところと跪くところが特に好きなんです・・・。あと、結婚式でマルグリットの手をとってるところ。相手を慈しむように見つめる時の視線がとっても優しくて、心があったかくなりました!

マルグリットは、行動が先述したとおり結構頭からっぽちゃんなんですけど、綺咲さんのマルグリットはとにかく綺麗!!!そして気が強そう!!!でありながら、守ってやらなくては・・・!!!という線の細さがある、とても魅力的な女性でした。スカーレットポンパーネルの歌はどれも娘役パートが高すぎて殺人的だと思うのですが、不安定さはありつつも聞き苦しいところはなく、ラストに行くにつれて良くなる、情熱を感じさせる歌いぶりをされてましたね🌸ドレスも本当にどれも素敵で、よくお似合いです・・・。

礼真琴さんのショーブラン!歌いにくい低音ソングをものともしない圧倒的歌唱力と、マルグリットを自分の野心へ引き摺り込もうとする悪い男の魅力を存分に見せつけてくださいました!紅さんはわりかしユニセックスな魅力があると思うのですが、礼さんはザ・男役!!!正統派男役の血脈を感じる方ですねえ。とてもかっこよかったです。自分の出世欲と野望・野心のためなら魂も売るタイプの男なんですけど、案外マルグリットには本気だったようで、結婚するのか?とか、愛していたことはなかったのか、とか、そういう勝手な男の繊細さが見て取れるのも、とても、よかった~。

星組さんは雰囲気がとても華やかで、コーラスなどもみんなでお話しているみたいな歌い方をされるなあと思いました。「歌とダンスのまとまりで銀河を作る宙組」・「正統派宝塚嫡流花組」・「誰も見たこともない世界へ行く月組」・「氷上の美男美女トップを囲む雪組」・「賑やか花火大会星組」という感じです。一言でまとめると(まとめる意味あった?)

この星組公演でひとまずすべての現組を見られたのですが、作品もあると思うんですが、ほかの組に比べると凄くにぎやかですね。すごく楽しい舞台で、これからの活躍がとても楽しみです。新生星組、応援しております!!

それはそうと、「ひとかけらの勇気」、「あなたこそ我が家」がとてもいい曲すぎて惚れこんでしまい、早速音源を買ったんですが、視聴で東宝版の石丸さんの「ひとかけらの勇気」を聞いたら、すっかり東宝版にも行きたくなってしまいました・・・。(音源は明日海りおさん版を買いました(笑))東宝が原作路線で行くのか宝塚路線でいくのか、気になりますねえ・・・(*'▽')